【実証実験レポート】 福島県上野尻ダムで実施された、ダム施設の保守管理業務の効率化に関する研究目的の実証実験でドローンの運航協力を行いました
エアロセンスは、2023年12月7日、東北電力株式会社(宮城県仙台市、取締役社長 社長執行役員 樋口 康二郎(※))とNTTコミュニケーションズ株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長 社長執行役員 丸岡 亨)が実施した、ダムの保守運用におけるドローン導入による業務効率化の可能性を探る実証実験で、垂直離着陸型固定翼ドローン「エアロボウイング」の機体提供と運航に協力しました。
当実証実験は、徒歩やボートにより目視で行っている調整池の構造物点検や放流前の安全確認、ダムの設備点検など,ダムの維持管理に必要な点検をドローンで代替して行うことが可能かを検証する目的で実施されました。なお、調整池の周辺地山や護岸の点検、ダムの点検はマルチコプター型のドローンで行われ、当社は放流前のドローンによる河川パトロールや調整池巡視を担いました。
実証実験の飛行経路(赤線)
上野尻ダムから上流に向かう飛行は、上記の赤線に沿ってダム上流の往復約20キロの距離を座標情報に基づいて予め設定した航路を自動飛行し、低高度と高高度それぞれでの視認性を確認しました。放流前におけるダム沿いの人の存在は、上空から撮影した映像を基に飛行状況や空撮映像を基に検証しました。高解像度カメラで撮影した映像により、放流前におけるダム沿いの人の存在を確認出来、これまでボートや徒歩などで行ってきた確認作業の大幅な効率化を図ることが可能と判断され、今後の河川パトロールや調整池巡視での実用化に向けて有益なデータが得られました。
エアロボウイングは長距離、広範囲の飛行が可能である特徴を生かし、これまで砂防、道路、送電線の点検などに活用されており、今回実施した河川パトロールや調整池巡視についても短時間で終えるなど、その有効性が確認出来ました。今後も同様の実験に協力することで、長距離・広範囲のドローン点検の普及に貢献してまいります。
(※)樋口の「樋」は、1点しんにょう