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東興ジオテックとエアロセンス、国内初となる 法面吹付用の大型有線給電ドローンと吹付工法を共同開発

東興ジオテックとエアロセンス、国内初となる 法面吹付用の大型有線給電ドローンと吹付工法を共同開発

– 法面作業の安全性向上と労働力不足の解消に布石 –

高松コンストラクショングループの一員で、法面保護、地盤改良などの事業を展開する東興ジオテック株式会社(所在地:東京都中央区、代表取締役社長:吉井睦雄、以下、東興ジオテック)とエアロセンス株式会社(所在地:東京都北区、代表取締役社長:佐部浩太郎、以下、エアロセンス)はこのたび、法面吹付用の大型有線給電ドローンと吹付工法を共同開発したことをお知らせいたします。

エアロセンスが有する有線ドローンの技術を生かして開発を行った、法面吹付用の大型ドローンによる植生基材吹付工法(工法名:グリーンインパルス)は、大型ドローンでありながら、有線給電により長時間の施工が可能で、これまで作業員が行っていた法面での吹付作業をドローンが担うことにより、法面施工の安全性の向上と労働力不足の解消を図ります。また、ドローンで法面への吹付をおこなう際、クレーンやバックホウ(ショベルカー)などの重機を利用することなく、かつ高所でも施工が可能となるため、法面から山腹崩壊地をはじめとする災害復旧工事まで施工範囲が大幅に広がります。なお、ドローンによる種子や肥料などを混合した人工土壌を吹き付ける植生基材吹付工法はこれまでに例がなく、国内初の技術(※1)となります。

従来の法面への吹付施工は、作業員がロープにぶら下がりノズルを持って施工する人力施工が主流で、重労働かつ高所作業で危険をともなうことに加え、作業員の平均年齢が高く後継者不足も喫緊の課題となっています。法面事業で国内3位のシェアを有する東興ジオテック(※2)では、グリーンインパルスを運用することでこれらの課題解決と、作業の大幅な効率化と省人化および安全性を向上させて、施工現場のオートメーション化を図ります。

2. 作業員による法面吹付施工.jpg
作業員による法面吹付施工


今後は山腹崩壊地をはじめとする、これまで機械施工が困難だった現場の完全無人施工を実現させるために、吹付厚さのリアルタイム計測技術の充実と機体の改良による完全自動航行(施工)技術を検討してまいります。また、将来的にはこのドローン技術をモルタルの吹付施工などに活用していくことも視野に入れています。

 

【グリーンインパルスの展開について】

東興ジオテックは、従来の植生基材吹付工法では施工が困難だった法面垂直高80m以上の現場を吹付可能にしたハイグリーンショット工法(長距離高揚程植生基材吹付工法)と、通常の植生基材吹付工法で必要な吹付前に法面全面に金網を張り付ける工程を省略できるノンラスグリーン工法をベースに、ドローン施工を組み合わせる新しい吹付工法を「グリーンインパルス」と名付け、山腹崩壊地をはじめとする長距離高揚程圧送が必要な現場の新たな技術として活用を目指します。

 

【グリーンインパルスの構成について】

ドローンによる施工システムは、材料供給ホースと給電ケーブルをドローンに接続し、ドローン操作システムを用いて吹付をおこなう仕組みです。ドローン機体は6つのプロペラを有し、ペイロードは約40kg、ホースを装填した状態で最高約30m上空まで飛行できます。地上の電源装置とドローンは車載可能なため、山間の場所でも現場運用でき、地上からの吹付厚さのリアルタイム計測技術を備えているため、吹付厚さの計測作業を地上からおこなうことも可能です。

3. 機体 加工済み.jpg

さらに、東興ジオテックでは、現在開発中の全自動施工プラントを組み合わせることにより、将来的には通常5名程度必要となる作業員の数(監督者を除く)を2名に削減し、従来の約6割の省力化を見込んでいます。

植生基材吹付工法施行中イメージ.jpg

従来の植生基材吹付工法の施工中のイメージ(左)、グリーンインパルスの施工中のイメージ(右)


【植生基材吹付工法について】

植生基材吹付工法(または厚層基材吹付工法)は、法面緑化工法のひとつで、植物が発芽・生育するための生育基盤をエアーの力で圧送して法面に吹き付ける緑化工法です。植生基材吹付工法は、東興ジオテックが1974年に開発して以降、50年以上作業員がロープにぶら下がりながらノズルを持って生育基盤を吹き付ける施工が行われてきました。

 

昨今では法面施工においても機械化やICT技術の活用による生産性の向上が図られるようになりつつありますが、吹付作業については重機を使った機械化にとどまり、近年頻発している豪雨災害や地震災害で生じた山腹崩壊地など、重機が搬入できない現場では人力施工を余儀なくされています。また、生物多様性国家戦略2023-2030において、法面緑化工事における外来種等の使用回避・拡散防止の具体的施策も示されています。

法面への植生基材吹付前(左)、在来種子を用いた植生基材吹付後(施工4年半後).jpg

法面への植生基材吹付前(左)、在来種子を用いた植生基材吹付後(施工4年半後)

東興ジオテックは、法面分野の専門業者として多数の緑化工法を保有し、主にインフラ整備や災害復旧におけるさまざまな要求に応えてまいりました。1996年から運用している独自の在来種子貯蔵出荷施設(RSセンター)を保有する強みを活かし、これまでの法面緑化に加えて地域生態系に配慮する必要がある地域等において在来種による自然回復緑化をグリーンインパルスで展開し、ネイチャーポジティブ(自然再興)の実現に貢献してまいります。

 

エアロセンスは、国産ドローンメーカーとして多数のドローン製品ラインアップを揃え、多くの企業や自治体で導入・活用されており、国土交通省や文部科学省等、各省庁からも高い機体性能や信頼性が認められています。自社開発体制を持つ強みを生かし、機体性能の向上をはかり社会に普及させることで、ドローンの社会実装を拡大させてまいります。


(※1)東興ジオテック調べ

(※220249月時点、日経クロステック調べ


東興ジオテック株式会社について

1956年設立。芝の種子を吹付機で吹付け、広範囲の法面を急速に緑化する「種子吹付工法」を我が国で初めて京都大学と共同で開発し、法面の緑化工事分野に進出。環境アセスメントの思想をいち早く取り入れ、自然と社会との調和をはかりながら法面事業、地中事業、ロック事業、リニューアル事業、プラント事業などの特殊専門技術を活かした事業を推進してまいりました。今後も自然環境との調和をはかりながら豊かな生活環境を創造し、社会に貢献し信頼される企業であり続けてまいります。

東興ジオテックホームページ:https://www.toko-geo.co.jp/

 

エアロセンス株式会社について

2015年設立。「ドローン技術で変革をもたらし、社会に貢献する」をミッションに、高い技術力から生み出されるユニークなハードウェアとソフトウェアのソリューションを測量・点検・監視・物流などの分野で展開。ハードウェアの設計からクラウド・データ解析まで自社内の開発体制をフルに生かし、現場の方々がボタン一つで簡単に仕事を進めることができる “One push solution” を提供しています。受託開発や現場で実証実験などを行い、各企業に新たな価値(働き方)を創ります。

エアロセンスホームページ:https://aerosense.co.jp/









非GPSなどの環境下で自動飛行!危険な現場はドローンにお任せ

非GPSなどの環境下で自動飛行!危険な現場はドローンにお任せ

飛島建設 様

“己の利を計らんと欲せば己の利を後とし、これを犠牲としてまず相手の利を計れ。相手に提供した自分の犠牲は己の努力と創意工夫をもって補え。これが自他共に繁栄し、ひいて究極は必ず己の利となる結果をもたらす。“という利他利己の創業精神のもと、お客様満足を常に追求され、防災・減災技術のさらなる進化を通じて安全で安心な社会づくりに貢献されている”New Business Contractor“である飛島建設株式会社様と、2020年8月29日から30日、GPS等の電波の入らない非GNSS※環境下のトンネルで自動飛行によるオルソ画像と3D点群作成に取り組みました。(※Global Navigation Satellite System/全球測位衛星システム、GPS等の衛星測位システムの総称)

トンネル工事では大型の重機を使用するため、人と接触した際は重大な事故となり得る危険な現場です。そんな現場で掘削状況を確認するのも簡単ではありません。通常、GNSS電波による自己位置推定ができない屋内の現場でドローンを飛行させるには、オペレーターによる高度な技術が求められます。エアロセンス株式会社で開発している新たな点検ドローン、エアロボインスペクション(Aerobo Inspection)は、非GNSS環境下でも自動飛行を行い指定された範囲をオペレーターの技術によらず飛行をし、写真を撮ってくることができました。今後はトンネル内での飛行はもちろん、GNSS電波の入りにくい建物の付近など様々な現場で人々の安全な社会に貢献してまいります。

 

飛行時の様子

飛行当日は切羽付近の壁面を自律飛行で空撮しました。トンネル内にあるロックボルト間の距離を計測したところ、3D点群で測定した距離間の誤差も小さく、実寸に近い形でデータを取ることができました。

さらに、カメラをドローン本体の上部に搭載して切羽方面に向かい動画撮影も行い、自動飛行もマニュアル飛行もできることを確認しました。

トンネル内の照明だけでなく、機体にも照明をつけて安定した飛行を行い、トンネル点検に有効活用可能なオルソ写真と3D点群を作成しました。

飛行時のカメラ映像は、別室にて実証実験を見守る関係者にも配信を行い、エアロボウイングのカメラの空撮映像をリアルタイムでご確認いただきました。

弊社クラウドで作成した3D点群

弊社クラウドで作成した3D点群

弊社クラウドで作成した壁面のオルソ画像

使用後のご評価 技術研究所 研究開発グループ第一研究室 勝部様:

3D点群の積極的な活用を視野に各種開発を進めている中で、エアロセンス様には、南三陸町の震災復興事業でのエアロボ測量を実施していただいた縁もあり、トンネルでの自動航行や出来形測量に繋がるトンネル内3D測量の共同検証の声がけをさせていただきました。

トンネル坑内は、非GNSS環境であるというだけでなく、各種重機が配置されることによる狭さや風管による局所的な風など、ドローンにとっては厳しい空間です。

このような条件下においても、安定した飛行をしており驚きました。今後も協力関係を継続できたらと考えています。よろしくお願い致します。

エアロセンスからドコモ様へ

この度は、トンネル内でのドローン活用について共同検証させていただきました。初めての経験となる掘削中のトンネルでの飛行ということで、緊張しましたが現場の皆様に温かく迎えていただき、実験を成功することができました。心よりお礼申し上げます。

トンネル内が想像していたよりも非常に明るく、機材も整頓されており、驚きの連続でしたが、本現場で確認できた課題や、飛島建設株式会社の勝部様から頂いた現場ニーズをくみ取り、非GNSS環境対応点検ドローン、エアロボインスペクションの改良を進めてまいります。今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

 

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