ドローンを使用した写真測量の仕組み
ドローンを使用した測量には大きく分けて「写真測量」と「レーザー測量」の2種類があります。
ここでは、エアロセンスが行っている「写真測量」に関して、その原理と特徴をご紹介します。
写真測量の原理と仕組み
1. 写真測量の原理
私たちが物体を目で見たとき、その物体が自分からどの程度の距離にあるのか、計測器を用いなくても、おおよそ知ることができます。しかし実際には、右目と左目では違ったように見えています。片目ずつ対象を見てみると、位置が微妙にずれて見えることを実感できるかと思います。これは「両眼視差」と呼ばれる現象ですが、これにより私たちは物体を立体的に見ることが可能になります。加えて、右目で見える対象の位置と、左目で見える対象の位置の差によって、奥行き(距離)を感じることができます。写真測量は、人の目の代わりにカメラを用い、対象を写真に収めることで、この現象を再現しています。
2. 撮影方法
ドローンに搭載したカメラで、測量したい範囲内を、一定の高度・間隔で撮影します。その際、下の図にあるように、同じ箇所を複数枚、重なる(オーバーラップする)ように撮影していきます。こうすることで、カメラが1台であっても、右目と左目、両方の役割を代用し、対象を様々な角度から捉えることが可能になります。また、この際「対空標識」と呼ばれる目印を、地上のポイントに配置し、その目印の実際の緯度経度と写真の中での位置を合わせることで、より精度の高いモデルを作成することができます。
3. 3Dモデリング
オーバーラップさせながら撮影された複数の画像から、共通の点(地点)を抽出し、重ね合わせることでバラバラの画像から一枚の地図にします。と同時に、画像間の視差から距離を計算して、3Dの形状を求めます。人間の目や脳で行っているような工程と似た作業を、カメラからの画像データを処理して行っています。デジタル画像処理とプロセッサの進化により、データ抽出にかかる時間やコストが、飛躍的に向上したことは言うまでもありません。
写真測量の特徴のまとめ
有人航空機を利用した測量を行う場合、高度の高いところから撮影する必要があり、解像度の高い写真を撮影するため、とても大きく高価なカメラや、高価な計測器機を用いて、データを正確に貼り合わせることが必要でした。広範囲を粗く測量するには適しています。
ドローンで行う測量は、飛行高度が低く、用いるカメラが比較的安価なものでも、解像度の高い写真が撮影可能です。デジタル画像処理の進化により、大量のデータからより精度良くリッチな情報を抽出することができます。狭い範囲をより詳細に測量するのに、メリットの高い測量方法だと言えます。