エアロセンス株式会社、 東京大学協創プラットフォーム開発株式会社をリードインベスターとする 第三者割当増資による資金調達を実施
自社開発の国産産業用ドローンとクラウドサービスを組み合わせ、企業や自治体などにソリューションを提供するエアロセンス株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:佐部浩太郎 以下、「エアロセンス」)は、10月上旬、東京大学協創プラットフォーム開発株式会社(本社:東京都文京区本郷、代表取締役社長:大泉克彦、以下「東大IPC」)が運営するオープンイノベーション推進1号投資事業有限責任組合(以下「AOI1号ファンド」)をリードインベスターとする、第三者割当増資による資金調達を実施しました。
資金調達および支援を受け、製品供給体制と経営を強化しドローンのさらなる社会実装を目指す
昨今、建設・土木、物流、漁業、農業などの産業や、点検や測量などの分野では人手不足が課題となっています。これらの業界および分野の業務効率化などの課題解決ニーズの増加にともない、産業用ドローン市場は今後急拡大することが予想されています。日本国内のドローンビジネスの市場規模は2022年度には前年度比34.3%増の3,099億円に拡大し、2027年度には7,933億円に達することが見込まれる中(※)、エアロセンスは自社の高い技術力による製品の社会実装力を強化し、社会の課題解決に貢献し成長を続けています。
エアロセンスの強みであるVTOL(垂直離着陸型固定翼)をはじめとする多様なドローン各機種の製造・販売体制の強化に加え、強固な事業運営体制の構築を目指し、この度の資金調達に至りました。新規株主となる東大IPCには、ベンチャー育成・投資、特にオープンイノベーションにおける豊富な経験・知見を基に支援を受ける予定です。
ソフトウェアとハードウェアの一気通貫による開発体制で現場の課題に対応
エアロセンスは「ドローン技術で変革をもたらし、社会に貢献する」をミッションに掲げ、2015年8月にソニーモバイルコミュニケーションズ株式会社(当時。現在はソニーグループ株式会社が持分を保有)と株式会社ZMPの共同出資により設立。国産ドローンのハードウェアからソフトウェアまで自社内で一気通貫の開発体制を持つことで、さまざまな分野の現場で使いやすい産業用ソリューションを提供しています。
エアロセンスのVTOL型ドローン「エアロボウイング」は、国内のドローン業界初となる垂直離着陸型固定翼ドローンとして2020年10月に発売し、航続距離は最長50kmを誇ります。同機は既に広域・長距離の監視業務などに活用され、遠隔地での災害や遭難といった緊急事態時に現場をモニタリングすることが可能です。また、2022年5月に発売を開始した、標定点を設置せずにi-Construction基準の測量制度に準じた測量ができるドローン「エアロボPPK」は、一般のドローンによる測量業務を約1/3に削減することを可能にするなど、高い開発力を生かし社会課題解決に役立つ商品ラインアップを充実させています。
今回の資金調達について、エアロセンスの代表取締役社長 佐部浩太郎は以下の通り述べています。
「当社は設立8年目を迎え、今後さらなる成長に向けて、この度東大IPCから支援をいただくことになりました。調達資金を活用し、これまでの開発フェーズで培ったユニークな製品群の製造・販売など、供給能力を強化していきます。また、東大IPCのベンチャーキャピタルとしてのノウハウを取り入れることで、経営の強化、企業価値の向上にも取り組んでまいります。」
リードインベスターである東大IPCの代表取締役社長 大泉克彦氏は以下の通り述べています。
「産業用ドローンは、建設・土木、物流、漁業、農業などの幅広い産業で今後、運用・インフラを支える必須のツールになっていくものと考えられています。エアロセンス社はその社会課題、何より現場と向き合い対応するべく、ハード・ソフト双方の開発体制をもつことで業界唯一、国内初のソリューションや技術を多数持ち得る企業です。当社は事業会社やアカデミアとの連携などを通じて最先端のドローン・AI・クラウドで変革をもたらし、現実世界の様々な作業を自動・効率化することで社会への貢献をともに目指してまいります。」
これまでエアロセンスは複数の企業から出資を受け成長を続けてきた中、今回初めてベンチャーキャピタルより資本参加いただくことで、多様な知見やノウハウを生かしさらなる成長を目指してまいります。
(※)出所:インプレス総合研究所 「ドローンビジネス調査報告書2022」