1. HOME
  2. ニュース
  3. 2024年11月

2024年11月の記事(3件)

新しい順 | 古い順
危機管理産業展2024出展のお知らせ_エアロセンス

エアロセンス、国内初となる飛行機の無人航空機操縦者技能証明(二等)を取得

– VTOL型ドローンのレベル3.5飛行実施体制を構築 –

 

自社開発の国産産業用ドローンとクラウドサービスを通じてさまざまなソリューションを提供するエアロセンス株式会社(所在地︓東京都北区、代表取締役社長︓佐部浩太郎、以下「エアロセンス」)は、この度、弊社代表取締役社長の佐部浩太郎が、国内初(※1)となる「飛行機」の無人航空機操縦者技能証明(二等)(※2)を取得し、自社の垂直離着陸型固定翼ドローン(以下「VTOL型ドローン」)の「エアロボウイング」を始めとする固定翼ドローンによるレベル3.5(※3)飛行を実施する体制を整えました。

 

【経緯】

2023年12月に無人航空機操縦者技能証明を所有することを条件の一つに、監視者などを置かずに道路や鉄道などを横断可能なレベル3.5飛行の制度が新設されました。2024年6月には当社のVTOL型ドローン「エアロボウイング(AS-VT01K)」が固定翼を有するドローンとして初となる第二種型式認証を取得するなど、固定翼を有するドローンの活用が広がってきています。また、「飛行機」の無人航空機操縦者技能証明に係る実地試験の申請受付も2024年5月に開始されています。

 

マルチコプターと固定翼の両方のモードで飛行できるVTOL型ドローンの技能証明には、「回転翼航空機(マルチコプター)」と「飛行機」の両方の資格取得が必要とされており、当社の「エアロボウイング」によるレベル3.5飛行実現のために「飛行機」の技能証明取得に向け準備を開始しました。指定試験機関である一般財団法人日本海事協会に出張試験の申込をするとともに、試験用の機体を新たに製作、試験場の確保などの調整を行い、実地試験の開催に漕ぎ着けました。11月上旬に国内で最初となる実地試験を実施し、無事に合格を果たしました。その後、「飛行機」の技能証明を取得することにより、既に保有している「回転翼航空機(マルチコプター)」の技能証明と合わせて、VTOL型ドローンによるレベル3.5飛行が実施できる条件が揃いました。

エアロセンス 代表取締役社長 佐部浩太郎(左)、無人航空機操縦士試験(二等飛行機)合格証明書(右)


なお、今回取得した技能証明のうち飛行機(二等)には、飛行機のマニュアル操縦や滑走路による離着陸が試験項目に含まれていますが、当社のVTOL型ドローン「エアロボウイング」にはこうした操作上の困難を克服するために、飛行機モードでは自動飛行を行い、滑走路を不要とする垂直離着陸技術が実装されています。技術開発により不要となった技能を習得しなければならない状況に対して、機体の仕様に合った技能の組み合わせで資格を取得できるように、限定事項の変更やVTOL用の技能定義など、当局に対して働き掛けを行っています。

 

国内ではインフラ設備の老朽化、労働力不足などの課題が山積する中、ドローンの活用を促進することでそれらの課題解決が進むと考えています。当社は国内メーカーとして初めてVTOL型ドローン「エアロボウイング」を販売し、多くの企業や国・自治体などで様々な用途の開拓が進む中、さらなる普及を図るための取り組みを率先して進めてまいります。

 

※1 国内初については、国土交通省航空局に確認済み。無人航空機操縦者技能証明における機体の種類として、回転翼(マルチコプター)、回転翼(ヘリコプター)、飛行機の3種類があります。

※2  今回取得した技能証明は基本と目視外飛行。基本の実地試験ではマニュアル飛行と離着陸、目視外飛行の実地試験では経路計画と自動飛行の技能が求められます。

※3 無人地帯における目視外飛行において、デジタル技術(機上カメラの活用)により補助者・看板の配置といった従来の立入管理措置を撤廃するとともに、無人航空機操縦者技能証明の保有と保険への加入により、道路や鉄道等の横断を容易化した飛行です。



【講演会レポート】危機管理産業展2024 代表取締役社長 佐部浩太郎 「災害発生時にドローンを活用するための体制づくり ~能登半島地震での活動からの課題~」(後編)

【講演会レポート】危機管理産業展2024 代表取締役社長 佐部浩太郎 「災害発生時にドローンを活用するための体制づくり ~能登半島地震での活動からの課題~」(後編)

エアロセンスは、10月9日から11日まで東京ビッグサイトで開催された危機管理産業展に出展。VTOL型ドローンの「エアロボウイング」を展示し、災害時のドローンを活用したソリューションについて紹介しました。

 

開催期間中の10月10日、会場で代表取締役社長 佐部浩太郎による講演を実施。災害時のドローン活用について関心が高まる中100名以上の来場者の方々が参加され、熱心に耳を傾けました。レポートの前編では能登半島で実施した支援内容や災害現場での事例などについて紹介。後編では災害現場でのドローン活用のその他の課題と体制づくりについてご紹介します。

 

災害時の運航管理の課題と現地でドローンを運用できる人がいない現状

前編でも説明したとおり、能登で発生した地震や豪雨発生後に支援活動を行ったようにドローン会社が毎回駆け付け支援をするには限界があります。震災発生後は迅速な対応が求められるため、やはり現地の自治体の職員の方がドローンを飛行させ調査を行えるよう体制を整えることが重要であると考えます。一部の自治体では地元の会社と災害協定を結び、いつでもドローンを飛行させ点検や確認を行える体制を整えていますが、まだ少ないことが実態です。



能登半島地震発生後、まず自衛隊がヘリコプターなどの有人機を飛行させ、ドローンなどの無人機は有人機が飛行していない時間を利用し飛行させました。自治体は災害が発生しやすい箇所をあらかじめ把握していると思いますので、自治体がドローンの運用ができる体制を整えることができた場合、どのエリアを飛ばしたいのか、空域を確保するのはどこかなど、調査すべき場所の優先度を予め決めておくことをお勧めします。これにより発災した後の運行調整が容易になります。

 

有人機と無人機を統合して運航管理するシステムについては現在開発中で、実現すれば被災地での有人機と無人機の運航管理をスムーズに行えることになる見込みですが、実現はしばらく先になることが予想されます。

 

空撮写真から地理情報への解析とデジタルデータの共有が必要

当社はドローンで撮影した写真を解析し、オルソ画像や点群などを作成するクラウドサービスも提供しています。クラウドのサーバー上で画像解析をするため性能が高いパソコンを必要とせず簡単に写真測量を行うことができ、処理した画像の共有も専用のソフト無しにブラウザのみで簡単に行うことが可能です。豪雨被害を受けた輪島市打越地区のオルソ画像(以下)も、エアロボクラウドで作成後に佐藤工業に共有したことで、迅速に復旧活動の準備を進めることができました。



また、災害対策におけるDXの取り組みとして、これまでアナログで対応していた情報をデータ化し様々なプラットフォームに取り組み連携活用する動きが進んでいます。当社では、ドローンで撮影したデータをエアロボクラウドを通じて地理情報に変換し、他社が提供する罹災証明書発行システムと連携する取り組みも進めています。このシステムにより、被災者の被害状況が速やかに把握され、迅速な保険金支払いが可能となります。



自治体は積極的に災害対策を行う体制構築の検討を

能登地震発生後、自衛隊が被災状況に関するデータを関係各所に共有したことで、支援を行う多くの企業が参照することにでき活動に役立てることができました。現在、内閣府が主導し防災情報の共有体制構築も進んでいますが、すべての省庁のシステムが統合されるには時間がかかることが予想されます。震災はいつ発生するかわからないため、各自治体でドローンで収集したデータをさまざまな目的で活用できるよう、平時の道路や河川などインフラ設備の確認や災害発生時の対応方法などを考えておくなどの体制を整えておくことが不可欠です。




自治体がドローンを活用できる体制を整えておくことで、広範囲の地域を少人数かつ短時間で確認することが可能になります。いつ来るかわからない非常時に備えて平時にもドローンを活用し、常日頃から情報収集できる体制を整えておくことが大切です。地域の人たちが安心して生活するためにも、ぜひ積極的に検討を進めていただきたいと思います。

【講演会レポート】危機管理産業展2024 代表取締役社長 佐部浩太郎 「災害発生時にドローンを活用するための体制づくり ~能登半島地震での活動からの課題~」(前編)

【講演会レポート】危機管理産業展2024 代表取締役社長 佐部浩太郎 「災害発生時にドローンを活用するための体制づくり ~能登半島地震での活動からの課題~」(前編)

エアロセンスは、10月9日から11日まで東京ビッグサイトで開催された危機管理産業展に出展。VTOL型ドローンの「エアロボウイング」を展示し、災害時のドローンを活用したソリューションについて紹介しました。

 

開催期間中の10月10日、会場で代表取締役社長 佐部浩太郎による講演を実施。1月に発生した能登半島地震発生後、災害時のドローン活用について関心が高まる中100名以上の来場者の方々が参加され、熱心に耳を傾けました。その講演内容について2回にわたりご紹介します。

 

能登半島地震および豪雨の被害調査活動の紹介

セミナー冒頭に、当社が9月の奥能登豪雨災害による被害状況確認支援を行ったことについて説明。当社の顧客である佐藤工業株式会社(以下佐藤工業)が国土交通省から被災現場の復旧活動の要請を受け、当社は佐藤工業から状況確認の支援要請を受け輪島市に向かい、孤立集落につながる土砂崩れにより封鎖された道路の復旧工事を行う目的で、当社のマルチコプター型とVTOL型ドローン2機種を活用し調査を行いました。

 

現場ではマルチコプター型ドローンで土砂崩れの現場の調査を実施。その後、国道の安全な場所からVTOL型ドローンを飛行させ1回のフライトで広範囲の調査を行い、オルソ画像、三次元点群を作成後、佐藤工業に提出。同社は工事の見積りや復旧工事の発注を行い、復旧活動を開始する予定です。被災後に迅速に対応を行ったことで、早期の復旧を見込んでいます。



今回実施した調査活動では、マルチコプター型のドローンでは1日かかり、危険な現場に繰り返し立ち入る必要がある調査がVTOL型ドローンでは30分で、安全な場所から実施できた。VTOL型ドローンは広範囲の調査に適していることが改めて確認できました。

 

また、1月の能登半島地震発生後も当社が被害状況の調査を行ったことについて紹介。災害現場でのドローンの活用においてはJUIDA(一般社団法人日本UAS産業振興協議会)が全体の災害支援ニーズを取りまとめ、ドローン各社が支援活動を行いました。

 

地震発生後、現地では有人機の飛行を優先させるため2週間程度ドローンの利用が禁止されており、当社はドローンの利用が可能になった後、輪島市の道路、珠洲市の港湾などを点検し成果物としてオルソや点群データなどを提供後、復興活動に活用されています。

 

災害時にドローンが活用されるケースが増える中でも、課題は多く残されています。当社がこれらの支援を行った経緯から、実際に活動を行ったことで見えた課題や、いつ発生してもおかしくない災害に備えるための課題や体制づくりについてご紹介します。

 

災害支援目的にドローンで何ができるのかが認知されていない。

まず、危機管理の現場で活躍される方々がドローンで何ができるのかの認知が低いことが挙げられます。1月の能登での震災後は全国からドローン会社が集結し対応したものの、自治体の方々はドローンを活用することで何ができるかを把握されていない様子でした。震災が発生する度にドローン会社が現地に赴くことには限界があるため、自治体で対応できる体制を整えておかないと復旧活動に遅れが生じてしまうことになりかねません。


ドローンで何ができるのか、それは大きく3つが挙げられます。

1つ目は被災状況の調査。これは災害現場において状況を把握するための初動として重要です。そして2つ目が被災者の探索。震災発生後はまず被災者の捜索や人命救助が優先です。しかし、空からでは被災者が見つからない場合もあるので、屋内の運用が可能なドローンで狭い場所で探すことうことも可能です。3つ目は緊急物資輸送。災害現場では水や食料などを自衛隊の方々が人力で運ぶと相当の時間がかかり、かつ危険も伴いますが、ドローンを使えば簡単に物資を輸送することができます。

 

地震や豪雨や台風などで土砂崩れなどの災害が起こった場合、初動としてどこでどのような被害を受けたかの全体像を迅速に確認することが大切です。ドローンで被害状況を確認する場合、飛行させながら現場の動画をリアルタイムで映像を伝送したり、その動画を各所で共有することもできます。さらに、そのデータを解析して地図や地理情報データに変換するなど、後の復旧作業を担う方々にも共有することでスムーズに復旧作業を進めることも可能です。



また、ドローンで撮影した大量の写真から画像を解析し、オルソ画像の作成や地形データも得ることができます。ドローンが撮影した大量の写真を重ねて解析し、位置データから正確な地形データをPCで解析しデータを作ることができ、震災後の地形の変化も正確に確認することができます。

長距離・広範囲の調査が得意なVTOL型ドローン エアロボウイング

当社は長距離型の飛行機型のドローン「エアロボウイング」を主力製品としており、同機は国内で唯一第二種型式認証を取得した機体で、マルチコプター型のドローンよりも長距離、広範囲飛行できることが特徴です。LTEを搭載しているので遠隔操作が可能で、垂直に離着陸ができるため滑走路がなくても運用できる機体です。

 

活用例として高速道路や河川巡視など、長距離や広範囲の調査に適しており、山間部や上流のダムから下流までの長距離をワンフライトで飛行し撮影を行うことも可能です。普段から平常時の点検等に利用いただき、災害時にも活用いただけるよう普及を目指しています。


さらに、エアロボウイングは全自動で飛行できることも特徴です。災害が起こった場合自動飛行する経路(フライトプラン)をあらかじめ作成しておき、災害が起きた場合すぐに飛行できる練習や準備をしておくことで、いざ災害が起こった際に迅速に対応できるようになります。いつ発生するかわからない震災に備えるには、普段からドローンを活用しておけるよう準備をしておくことが大切です。

後日公開するレポートの後半では、災害時のドローン活用に関するその他の課題についてご紹介します。

国産ドローン、産業用ドローンの導入をご検討のお客様
お気軽にご相談・お問い合わせください。

お役立ち情報を
受け取りたい方

ドローンを活用したIoTソリューションの最新事例や製品・技術情報、課題解決のご提案等をメールマガジンでお送りします。

もっと詳しくドローンを
知りたい方

ドローン機体の製品カタログや周辺機器・システムのカタログ、会社案内パンフレットをダウンロードできます。

導入検討・
無料相談したい方

ドローン活用のお悩みから具体的な製品のご検討まで、ドローン導入に関わるご相談を幅広く受け付けます。